ブログの更新もすっかり怠っておりましたが、気がつけば明日は来年。世の中が慌ただしさ満載の最中にやっと「続テルマエ・ロマエ」9話目がアップされました。
今回のエピソードでは飛鳥時代、日本に修験道をもたらした彼の方とルシウスが出会います(1巻でもルシウスは若かりし頃の川端康成と遭遇していますが、何気に時空を超えてワープをする場合があります)。
今回のエピソードについては以前から、清らかな水の湧き出る場所は人々の信仰対象となるという、人類の傾向を取り上げたいと予々思っていたものを描いております。
人間にとって生きる力を与えてくれる水、そして健やかな生命力を養ってくれる温泉はまさに天からの恩恵。世界各地にも、聖地とされる水源や温泉はたくさんあります。
というわけで、私の夫の実家からそう離れていない、ヨーロッパアルプスの東側に位置するカドーレ(ヴェネチア・ルネサンス時代の巨匠・画家ティツィアーノの故郷)のピアーヴェ川上流にあるラゴレという湖と湧水にはいかなる病に対しても治癒効果があるとされ、この辺りを司る神の信仰の対象となってきました。
願いを叶えるために名前を書いて泉に投じるという儀式に用いられていたのは、青銅製の杓子でした。
この地域がイタリア半島とアルプスを越えた属州をつなぐ重要なルートでもあったことから、カルト教的な聖地として人気を集めることになったそうです。
この地域と同じような、水源や温泉を信仰の聖地とする場所は日本にもたくさんありますが、今回は僧侶で修験道者でもある友人の僧侶にお願いして、夏に奈良の天川村から大峯山周辺を巡ってきました。
天川村の天河大辨財天社では、水の精である弁財天女を祀っていますし、役行者によって草創された竜泉寺の滝では山へ入る前の修験道者達が身を清める場所となっています。
こちら竜泉寺の滝で滝行取材をする担当編集者と友人僧侶です。
そんなわけで、今回のエピソードをお読みいただいて、皆様にも年末年始を聖なる水で清められたような心地に浸っていただけたら、わたくしとしても嬉しい限りでございます。
皆様良いお年を。
そして2025年も「続テルマエ・ロマエ」をよろしくお願い申し上げます!!