修験道者たちに同行し、霊峰大峯山の麓まで出かけたその夜の宿泊先は、まさに修験道者たちのための温泉街と言っていい洞川(どろがわ)温泉。
メインストリートに面して並ぶ宿の縁側はすべて開け放たれ、浴衣姿の宿泊客がそこに腰掛けて寛いでいる光景はまさに昭和。ガチでつげ義春の世界。こんな風景がまだ日本にはあったなんて素晴らしすぎる。
修験道者たちとは離れて、私が宿泊したのは「花あかりの宿 柳家」さん。
家族経営のアットホームな宿ですが、この宿で使われている水はこの地域で湧出する名水「ごろごろ水」なんだそうで、美味しい水で作られたお料理は絶品、歯磨きで口を濯ぐ水さえおいしい後味が広がります。
「ごろごろ水」は大峯山の付近にある五代松鍾乳洞付近の石灰岩相から湧出しているそうで、全国各地から遥々この水を汲みに来る人もいるのだそうです。「ごろごろ水」の名称は、役行者がこの場所で水を召された際、洞窟の奥より小石が転がるような音を反響させながら流れ出る清水の様子から名づけられたとのこと。
おいしい水が湧く場所は、海外においてもそうですが、聖地の条件のひとつとして人々の信仰と昔から深く結びついているのかもしれません。
奈良県天川村公式サイト 洞川温泉↓
https://www.vill.tenkawa.nara.jp/tourism/spot/5171/